原っぱと遊園地

原っぱと遊園地―建築にとってその場の質とは何か
王国社 (2004/10) icon

「原っぱ」とは
「そこで行われることで中身がつくられていく建築」
「遊園地」とは
「あらかじめそこで行われることがわかっている建築」
この2つの空間概念を比較し、いわゆる計画学の限界を示すとともに、自らの目指す空間の質を定義している。

建築はおおよそ使っているうちに使い方も変われば、変質を余儀なくされてしまう。
それを無理やりはじめに行為と空間を1対1に決めてしまうことほど無理があることはない。仮に機能など使い勝手が変わっても、変わらない形式を求めていることが伺える。
また同時に「動線体」という概念も示すことで、本来部屋(室)という空間単位をつなぐ動線(経路)に注目し「つながれるもの」から「つなぐもの」の可能性を示唆し、目的を持たずだらだらとつながった空間で行われる行為を保証する建築のモデルとした。

初期の住宅から現在までの作品を解釈する場合にとても有効なキーワードである。