斜路 スロープ (slope)

近代建築の五原則以外に隠されたアイテムの一つにスロープがある。


コルビジェは「プロムナード」と呼んでいたが、サボア邸に典型的に見られる上下をつなぐ通路のこと。

上下に移動するという運動は、建築が立体で内容(物)を持つことからその中を移動するという意味で重要なアイテムである。

上下を切れ目なしにシームレスにつなぐことができるため、空間体験が途切れずシーンの連続という「シークエンス(sequence)」という映像的なイメージで表せる。

コールハースは、この効果を積極的に多用することで、コルビジェの遺産を最大活用している建築家の一人である。宮本佳明青木淳も意識的にこの手法を使う。

表参道ヒルズ安藤忠雄)の場合では、階の概念がなくなるという結果を商業ビルという方法で採用している。

 

日本の建築では「会津さざえ堂」が有名で1796年に福島県会津若松市飯盛山に建立された、高さ16.5メートル、六角三層のお堂にスロープが採用されています。


正式名称は「円通三匝堂」(えんつうさんそうどう)といいます。昇りと降りのスロープが一方通行になる「2重螺旋」の構成になっています。
平成8年に国重要文化財に指定されました。

「会津さざえ堂」HP

「ケンチクの材料」とは
空間または建築物を創造するときに、必要になるアイテムのこと。
柱や針などの部位も含むが、建築が立体という特性を持ち、内部空間を持つ以上必須の内容。
「建築材料」とは違う、ケンチクを構成する材料という意味。

建築言語とも言う。