artek(アルテック)「60」

アルヴァ・アアルトの代表作の一つ。

特許を取ったL字型の脚は、ムクのバーチ材を曲げるための工夫と、座面とのシンプルな接合で、永年のロングセラーとなっている。
オリジナルは無理かも知れないが、レプリカには座ったことが一度はあるのではないでしょうか?
デザイン:1933年

1898年 フィンランド中西部のクオルタネに生まれる。
ヘルシンキ工科大学に進学し、卒業後ユバスキュラ市で「建築・モニュメンタルアート事務所 アルヴァ・アアルト」を開設。
1924年には同じく建築家であるアイノと結婚する。
1929-33年設計のパイミオのサナトリウムによって、短期間に彼の建築家としての地位を確立した。また、このサナトリウムのプロジェクトによって、彼の本格的な家具設計が始まった。
特にサナトリウム用に作られたアームチェアは、成形合板を使った斬新な座面により「材料革命」と評され、家具デザイナーとしても彼の名を一躍有名にした。
その後一連のスツールを次々にデザインし、自作の家具を国内外に販売するために、1935年に、妻:アイノ・アアルト、マイレ・グリクセン、ニルス・グスタフ・ハールとでartek社を設立するに及ぶ一方、建築家としても地位を不動のものとして、1943年にはフィンランド建築家協会の会長に選任された。
第2次大戦後、1950年台に入ると、「赤レンガの時代」と呼ばれる、地方に伝統的に存在する建築表現を継承・洗練させた、赤レンガを多用する作風に変わるが、1955年にフィンランド政府からフィンランド・アカデミー会員に選任され、1963〜68年にはその会長職を務めるなど、晩年まで多忙の人であった。