「足の裏についた米粒」(一級建築士なんかア・・・)

一級建築士といういわゆるライセンスは、「取っても食えないけれど、取らないと気持ち悪い。」と名言を残した。言いえて妙であるが本当にそのとおりである。

すこし昔、関西の3奇人の一人であるも毛綱モン太毅曠(モヅナもんたキコウ・故人)が言ったといわれている言葉。(関西の3奇人:安藤忠雄・毛綱モン太・渡辺豊和のことで、野武士の時代の代表選手。) 

アカデミズムを背景にした関東のスクール(大学における学派・研究室)からの建築家は大勢いるが、関西のそれは研究者が多く。ライトとサリバンのような理想的な師弟愛ならいざ知らず、職人のような修業時代を経験しても、必ずしも一人立ちできるとも限らない。
本来ならライセンスは職業人として担保されるべき手形のはずだが、「持っていることと、いい設計ができることは違うよ。」ということであり、また同時に「設計図が書けることと、建築家として良い仕事ができることとは違う。」のだといいつつ、「でもそれを決して生活の糧(食扶持)にはしない。(武士食わねど高楊枝)」という作家のプライドを、一挙に語ろうとした言葉である。

 
どこかで聞いた話にも、同じものがあってその場合はいわゆる博士課程(ポスドク)の研究者のひとりごとであった。(博士号と読み替える。)