厳島神社(Itsukushima Shinto Shrine )

厳島神社Itsukushima Shinto Shrine

瀬戸内海の島を背後にして、その入江に木造の社殿が立ち並ぶ日本でも珍しい海のなかに建つ神社です。

厳島神社のある宮島は、瀬戸内海の広島湾に浮かぶ周囲30Kmの島です。
古くから島全体が神道の信仰の対象とされてきたため、およそ800年前に、この地の造営されたといわれています。

厳島の緑濃い森林が海岸線に迫る美しい自然景観は、17世 紀頃から「日本三景」の一つとして称えられてきました。


平安時代の末期、平家の総帥平清盛が一門の栄華を願って造営しました。聖なる島への入り口は、社殿の沖160メートルのところに立っている「大鳥居」になります。
ここには引き潮の時には歩いていけますが、満潮になると社殿の床にまで海面が迫ってき、まるで海の中の竜宮城のようにも思えます。

寝殿造りの平安様式 (宮島公式サイトhttp://www.miyajima-wch.jp/index.html

108間(約275m)の廻廊が結ぶ社殿は、寝殿造りの影響を強く受けた平安様式。寝殿造りとは平安貴族の住宅様式で、敷地の中央に寝殿(正殿)と呼ばれる中心的な建物、その東西に対屋(たいのや)と呼ばれる付属的な建物を配し、それらを通路で結ぶ対称形の配置を基本とするもの。寝殿の前面には舞や儀式の場となる庭、その先には池も設けられました。その寝殿造りの様式を神社建築に巧みに取り入れ、瀬戸内海を池にみたてた壮大な発想で平安の雅(みやび)を映した究極の日本建築といえます。
大鳥居を背にして祓殿を正面からみると、中央の軒が左右に較べて一段高くなっているのは寝殿造りの典型的な工法。また桧皮葺の屋根に瓦を積んだ本殿の化粧棟など随所に寝殿造りの様式が加えられています。