シンメトリー ( Symmetry )

対称性のこと。あるものに中心線をもうけ、その左右あるいは上下の対称、釣り合い、均整のこと。 建築や美術・デザインの基礎概念のひとつで、変換に対する普遍性として非常に安定した形式。歴史的には、人間の身体などを象徴として、その理想型としてきたが、20世紀前半から、自然界のそれは、絶対的な対象ではないことから、むしろ厳格なシンメトリーや反復は、非人間的で機械的・生命観の欠如といったイメージで、現代美術や建築などでも排除されてきた。
建築では、格式的なものや権威的なもの象
徴として用いられてきた。(国会議事堂、銀行など)

ちなみに写真は、キリンプラザ大阪 (大阪市中央区、1987年・日本建築学会賞受賞 )は、リドリー・スコット監督のハリウッド映画「ブラック・レイン」(1989年)の撮影舞台にもなった。

昨年売却され解体を待つのみになった。

ある意味大阪の名所のひとつであったが、20年の幕を閉じる。
様々な方向に対称軸をもつ、ポストモダン建築。建築家・高松伸の代表作である。photo by All rights reserved by P F C 2>

高松 伸 (Shin Takamatsu)
 
建築家・京都大学教授。
1948- 島根県生まれ。
1989- 「キリンプラザ大阪」の設計で日本建築学会賞受賞。
その後、芸術選奨文部大臣賞、国土庁長官賞、建築業協会賞、公共建築賞など数々の賞を受賞。
国際設計競技においても最優秀賞を獲得するなど、日本を代表する建築家として高く評価を受けている。
主な作品に、「キリン本社ビル」「ワコール本社ビル」「東本願寺参拝接待所」「国立劇場おきなわ」など。