機能主義 ( Functionalism )

機能主義 (functionalism)
Loos Haus
普通「機能」はある対象の働きと解釈できる。
機能主義とは、社会学文化人類学に於ける方法論的な立場の一つである。

一般には、19世紀末以後の科学的論法として認知されてきた。

特に建築・インテリア・デザインの分野では、その対象物の働きと形の議論として展開されてきた。
有名なのは、LHサリヴァンの「形態は機能に従う」という言葉で、思想的にも先駆的であったとされる。
さらにA・ロースの無装飾主義を受け、一挙に支配的な思潮となる。
(Loos Haus photo by potlatch<Flikr!>)

またコルビジェの「住宅は住むための機械である。」という言葉にあるように、機能と形態の関係は、機械がもっとも純粋であり、働きに余分なものは罪悪だという風潮にも発展する。

重要なのは、1928年から開催されたCIAM(Congrès International d'Architecture Moderne、シアム、近代建築国際会議)では、ヴァルター・グロピウスミース・ファン・デル・ローエらとともに中心メンバーとして活躍し、国際的な近代建築運動の拠点となったことや、写真の技術や出版などさまざまなメディアを駆使し、世界へ広めた功績にある。

それまでの「建築」がおかれていた位置や特権を否定し、新しい世界観を作り出そうとした思潮は、大きな価値を世界基準で塗り替えていった。

その後、この機能主義・合理主義に反してポストモダンという思想が台頭してくるが、ポストモダニズム建築の過剰な装飾が疑問視され始めると、徐々にではあるが、再び機能主義時代のシンプルで幾何学的な作品が再考される動きが出始めている。
時代は振り子のように右に左にゆり動き進んでゆく。全ては歴史に記されている。

ルイス・ヘンリー・サリヴァン(Louis Henry (Henri) Sullivan, 1856 - 1924.USA)
ダンクマール・アドラーと共同で多くの作品を残した、シカゴ派の代表的な建築家の一人であり、フランク・ロイド・ライトの師の一人でもある。

アドルフ・ロース(Adolf Loos, 1870 - 1933)は20世紀オーストリアの建築家。