スーパーフラット(SUPER FLAT)
現代美術家の村上隆が作り出した概念。平板で余白が多く、奥行きのない日本画やアニメーションのセル画に共通する特徴を取り上げ作り出した言葉。
本来は村上自身の研究や戦略的な側面が強く、現代美術の文脈に、日本特有のオタク文化の美意識を導入するために用いられることが大半であったが、哲学者の東浩紀が介入し、日本で開かれた「スーパーフラット展」やMOMAの展覧会を通して、世界中に広まった。
村上の最新作は「kaikaikiki」によるアニメーション。
等身大の少女フィギアやヴィトンのモノグラフに採用され、世界的に注目されている。
この概念は、美術界にとどまらず、ある意味において現代建築を読み解く際に、有効なキーワードとして語られている。さらに日本的な状況だけでなく広く現代の文化の傾向にかかわる概念として参照されている。
現在では、世界に広く「オタク文化」が浸透し、日本が世界に発信した数少ない文化といわれるまでにもなったが、安直なサブカルチャーの焼き直しだという批判も多い。
アニメ好きが高じて高校卒業後にアニメーターを志すが挫折、興味のあった日本画を習い、2浪後に東京芸術大学に入学、美術学部日本画科専攻。1986年に卒業。1988年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程修了
1993年 東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了に、個展「TAKASHI,TAMIYA」にて現代美術家としてデビュー。
1992年、ネズミをモデルにした「DOB(ドブ)君」を発表する。
2003年、ニューヨークのオークション会社 サザビーズにて、 ウェイトレス姿の等身大美少女フィギュア『Miss Ko2』が50万ドル(約5800万円)で落札される。
これは当時の日本現代美術作品の最高額である。
2003年、ルイ・ヴィトンとコラボレートし、黒地あるいは白地にモノグラムをカラフルに配した「モノグラム・マルチカラー」を発表。
アートフェアGEISAIの主宰、六本木ヒルズやルイ・ヴィトン、ゆずなどとのコラボレーション、テレビやCMへの出演など、多彩な活動を行っています。
国内
2003年 第46回FEC賞 特別賞受賞
2004年 コンパニヨン・デュ・ボージョレー騎士号授与
2004年 カルチャー部門『タグ・ホイヤー ビジネス・アワード 2004』受賞
(ダイヤモンド社)
2006年 第11回AMDアワード功労賞受賞(Digital Contents of The Year’05)
第56回芸術選奨文部科学大臣新人賞(芸術振興部門)受賞
海外
2005年 文化芸術賞(ニューヨーク/ジャパン・ソサエティー)
2006年 「ベスト展覧会」受賞(ニューヨーク/AICA)