アフォーダンス (Affordance)


Affordance
 (アフォーダンス)   -n.

アフォーダンス理論

認知心理学における概念で、「afford」と「-ance」を組み合わせた造語。
英語のAffordは「〜を与える、提供する。」という意味を持ち、心理学者のジェームス・Jギブソンが1950年代後半に作った。日本では佐々木正人(東大情報学環教授)が紹介した。

もともと動物が環境をどのように認知し判断しているかを調べ、その生態から、動物に対して環境が何か提供するために備えているのだとする考えである。
つまり、物体の持つ属性(形、色、材質、etc.)が、物体自身をどう取り扱ったら良いかについてのメッセージを生物(動物、人間やユーザー)に対して発している、とする考え。
たとえば、扉についている取っ手は人に「引く」という行為を誘発していると考えるということ。
(取っては引くという行為をアフォードしているという。)

アフォーダンス理論をシステムや道具、建築など、人工物のデザインに応用する試みはすでに行なわれているが、あくまで環境を読み解く認知のための理論であるため、「つくる」を拡げるヒントや、形の根拠(アリバイ)には頻繁に用いられるが、決定的な造詣理論にはなりにくい。

略歴
1952年、北海道生まれ。1978年、東京学芸大学教育学部卒業。1980年、筑波大学大学院心身障害学専攻修了。筑波大学助手、早稲田大学人間科学部助教授、東京大学大学院教育学研究科助教授、情報学環・学際情報学府教授(2000-2006年)を経て、現在、東京大学大学院教育学研究科教授(1998年-)。
アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫 1863) (文庫)
佐々木 正人 (著)