印象批評 (Impressive Criticism)


Impressive Criticism
 (インプレッシブ・クリティシズム)   -n.印象批評

批評者が自らの主観を優位に置く批評のこと。
(客観的尺度によらず、作品から受けた主観的印象に基づいて論じようとする批評態度:三省堂大辞林」)

批評は文学の登場と同時に始まり、近代の文芸批評はイギリスで18世紀に文芸批評として「印象批評」広まり現在に至る。
これに対して論理批評とは、客観的、実証的根拠に基づく批評の事で、構造主義記号論現象学などの新しい文学理論が登場以降、印象非常は軽視される傾向にある。

しかし、「批評とはまず一人称によって態度を表明する営みではなかっただろうか」という見直しが叫ばれている。またインターネットの普及による「感想批評」などが氾濫し、「批評とは?」という定義が確実に拡張してきている。 

印象批評は、一人称で主観的である。つまり「好き」「嫌い」に集約されがちで「感想」の様相が強い傾向があるが、直感や印象による無根拠であるが鋭く本質を突くという側面を持つ。

論理批評は客観的な事象から論拠を示し、論理的に言説を組み立てるため、他者との議論や比較の対象として有効である。また他の領域との相互批評などが可能である。