教会という「建築」

今の日本では、およそ想像もつかないけれど
過去(昔ムカシ)には、教育が行き届かず
ほとんどの市民は文字を使えなかった。

ということは、仮に何か教義について書かれたものがあったとしても「字が読めない」から無理だし、さらに書かれた印刷物もなかった。
(印刷技術が発明されてからは変わりますが・・)
あったのは手書きによる貴重な聖書や書物。
これらは貴族や王族などに限られていたから、一般人にはもっと無理な話。

そこで、建築(教会)で、一般人にキリストが起こした奇跡や教義を誰にでもわかりやすく開示しようとした。
つまり「教会」は「教義」のための「テーマパーク」として作られた。(と思えば良い)

ステンドグラスには、キリストのさまざまな奇跡から世界の終わりなどが描かれ、まるで聖書を絵巻物のように展開した。
教会の内部は「聖書の世界」か「映画館」のような様子で、ついにはトップライトから「神」が光とともに「光臨する。」というエフェクト(特殊効果)まで用意されてきます。
つまり「教会」という「建築」は今でいう映画であり新聞であり雑誌であった。(メディアといいます。)
2次元のような紙媒体(メディア)ではなく3次元の媒体(メディア)ということになります。
さらに付け加えると、当時から近代までの間、「建築」=「媒体(メディア)」として存在していたというわけです。