所有権と使用権

[所有権]と[使用権]

街を歩いていると、特に住宅地では、一つずつの区画がはっきりしていることに気がつく。
つまり、一戸建ての敷地には、生垣や塀、ネットフェンスで囲いが例外なく設えられている。
多分、一生の買い物のため、財産を明確にすることと、その財産を他者から切り離し、しっかりと守ることが目的だと思われる。
不動産というからには、他者が勝手に持ち去るということは考えにくいから、盗難ではなく、その場所を「勝手に使えなく」していることが目的なんだと思う。

つまり、その土地の「所有権」=「使用権」ということに表れだ。

この二つの権利が、全くズレずに一致していることから、住宅地の風景は、ある意味きれいに秩序だっているように見える。

視点を変えて、いわゆる下町(長屋やアパートなど)の風景はどうだろうか?

一見雑然としているが、生き生きとした風景を醸し出している。
先の整然とした風景に比べると、無秩序のようにも見えるが、暗黙のルールがって、バランスが取れた状態を保っている。

所有権がないからかもしれないが、「占有権」と置き換えると、この様子と「使用権」がややズレを伴っているといえる。

ぎすぎすした人間関係は、どうもこの町並みと相関関係がありそうだ。